こんにちは、ナカムです。
本日は「ガバナンストークン」を解説します。
本記事で分かる内容
• ガバナンストークンとは?
• DAOと密接な関係性
はじめに、ガバナンストークンについて学んでいきます。
よく分からない場合は飛ばし読みでOKです。ただし、ガバナンストークンは将来的に使われることが「増える未来が予測」されます。なぜならば、「DAO」という新しい組織形態と密接であり、DAOが増え続けているからです。
「ガバナンストークン」「DAO」は知っておいても損はしない知識です。それでは解説しますね。
前おきとして、「プロトコル」という言葉がよく出てくるので覚えておくと内容が入りやすいです。
※プロトコル=プロトコルとは、コンピューターでデータをやりとりするために定められた「規約」「規則」における送受信の「手順」などを定めた規格を意味しています。共通のプロトコルに従うことで、正しい通信が可能になります。
※DAOについてはこちらの記事を参考にしてくださいね。
□ガバナンストークンとは何ですか?役割は何ですか?
結論:トークン所有者がDAOの方向性を形作る手段
ガバナンスとは何でしょう?
ガバナンス=統治、支配、管理
要約すると「公正な判断・運営がなされるよう、統制する仕組み」です。もう少し、分かりやすくいうと、「公平に組織の運営をまとめる」というイメージですね。ガバナンストークンの役割と権利について深く解説していきます。
ガバナンストークンの役割
1. ガバナンストークンは、単独的な支配をもたらすものではない。
2. プロジェクトの最初に組み込まみれている。一部分のみに影響を与えることが可能です。
3. プロジェクトによってガバナンスの所有権と定義が異なっている。
ガバナンストークンの価値と権利
• 金銭に関する権利:プロトコルはユーザーに料金を請求できる。徴収した手数料は、ガバナンスの投票を通じて、一部をトークン保有者に配当するように決定される。
※イメージでいうと株式の配当に似たような仕組み。
• プロトコル変更に関する権利:トークン保有者にはプロトコルの「方向性」「将来」を決める投票権が与えられる。
• プロジェクトの価値と権利:プロジェクトの資金管理に関して投票できます。資金は組織全体の戦略的な方向性を決定する重要性を持ちます。
※株式会社における取締役会の投票のようなものと感じてもらえるといいです。資金管理では、「コミュニティ活動」「開発」「パートナーシップ」などに資金を割り当てられて、トークンの割合で決定されます。トークン保有量が多ければ、このような決定への影響力とプロトコルの「未来」に与える支配権が強くなるため、デメリットも否めないです。
上記の通りでガバナンストークンとは、「組織」「コミュニティ」の未来を決めるために重要なものであり、影響力を持ちます。ガバナンストークンは分散型自立組織(DAO)の所有権に一番距離が近いものです。
ほとんどのプロジェクトは、ユーザーに何かの手数料を請求しています。最終的に手数料の一部をトークンとして保有者が受け取れます。たとえば次のようなことに対してトークンの配布が行われます。
□トークン配布
• DEXでスワップを利用したユーザーには、手数料を支払ってくれた代わりに「○○トークン」を配布する
• DeFiで手数料を支払って、保有している暗号資産をロックしてくれた方には「○○トークン」を配布する
次はガバナンストークンの必要性、課題、仕組み、について詳しく見ていきます。
□ガバナンストークンの必要性
Uniswap、Maker DAO、Curve Finance、PancakeSwap、NFTコミュニティなどのプロトコル、企画、プロジェクトの決定は部分的にガバナンストークンで決まります。なぜ、ガバナンストークンを使う必要があるのでしょうか?理由を解説します。
○ガバナンストークンの必要な理由
暗号資産の経済とトークンは組織の所有権と権限の新しいモデルです。暗号資産の組織やコミュニティ(DAO)から新しい「サービス」「製品」「NFT」「プラットフォーム」は、ユーザー自身が所有および運営されています。分かりやすく例えると、「株式会社の株主がユーザーであり、組織全体の決定に関わる」ということが暗号資産の世界に置き換えられています。
ただし、株式会社における最終決定権は経営者が権限を握っているので株主は決めることができません。暗号資産に関わるグローバルコミュニティでは世界中の多用な「価値観」「スキル」を持った個人で「構成」「構築」されています。
○グローバルコミュニティの課題
暗号資産のサービスやNFTのプロジェクトはグローバルコミュニティとして、ブロックチェーンの技術を使いながら新しいものを構築しています。しかし、コミュニティの価値を対価として交換する新しい方法として調整、決定、ガバナンスに関する課題は常に模索している状況です。
グローバルコミュニティは言語を超えて、新しい革新的なものを生み出しています。このように生み出した物事の決定手段に「ガバナンストークン」を使用しているのです。もう少し深く学んでいきますね。
○ガバナンストークン意思決定の所有権
ガバナンストークンは、分散型プロトコルの所有権を表し、コミュニティ全体の方向性に影響を与える権利です。新しいサービスや製品の開発、機能性、マーケティング、予算、提携先などをガバナンストークンの保有者は、コミュニティで出された特定の基準に満たされ、正式に提案された変更に投票することができます。
○ガバナンストークンは意思決定に必要な仕組み
ブロックチェーンを使ったサービスの組織において、経営者や偉い人達はいない状態で分散した存在です。意思決定者、開発者、ユーザーなどの立場は関係なく、全員がフラットの組織です。しかし、従来の株式会社のようなトップダウン階層組織として機能しているリーダーシップの欠如において、決定者がいなければ組織全体が前に進まないため、ガバナンストークンは分散型自立組織(DAO)の意思決定に必要な仕組みです。ガバナンス機能と密接に繋がっている組織の在り方について、株式会社とDAOを比較しながら分かりやすく解説していきます。
□株式会社とDAOを比較
従来の株式会社では、CEO、CFO、COO、CIOなどのC-Suite、取締役会、株主の組み合わせで組織の方向性に関する決定事項の裁量権を持っています。DAOは、株式会社のように中央集権化された意思決定者がいない点で従来の会社とは異なります。とはいえ、誰かが決定を下す必要があるため、ガバナンストークンが組織の「決定」として機能を果たしています。
□分散型意思決定の特性
DAOは、サービスやプロジェクトなどの提案を含む正式に定義されたガバナンスの「過程」「工程」「手順」「手続き」といったものを通じて公平に決定を下します。ガバナンスは多くの種類を活用しています。たとえば、Uniswapが発行している「Uniトークン」を使ったり、Nouns DAOのように販売しているNounsの「NFT」を採用しているのもあります。すべて共通の特徴はガバナンストークンです。これは、ブロックチェーンという「透明性」がある技術の特性を活かして、分散された組織の意思決定とマッチしています。
DAOの中で提案が独自の投票をチェーンに上がると、ガバナンストークンの保有者は投票する機会を得ます。投票数は、保有するトークンの数に比例します。分かりやすいように例を見ていきますね。
たとえば、Aさんは50トークン保有し、Bさんは100トークンを保有している場合、BさんはAさんよりも2倍の投票権を保持しています。つまり、極論をいうと資産にものを言わせて大量のトークンを保有すれば組織の決定権を実質的に握ってしまうことができます。これは、原状の課題でもあり、「事前に大量のトークン保有者と話し合いの場を設ける」「二次投票の異なる投票」などで解決しています。NFTを使ったガバナンスのNouns DAOでは、「1体のNFTに対して1票」という形で投票の公平を保っています。
□ガバナンストークンの課題
ガバナンストークンは、資本主義における中央集権から分散型の未来に向けた1つの手段です。しかし、注意すべき課題とリスクがありますので解説をします。
○トークンの供給
多くのコミュニティでは最初のトークン割り当てが「創設者」「コアメンバー」「投資家」に分配されるため、トークンの保有数が必然的に多くなります。つまり、この分配方法ではガバナンスの意思決定の過半数を与えられてしまうので、コミュニティによってはユーザーにすべて配布される「公正」な立ち上げも選択に入っています。ユーザーにすべて配布する形のデメリットはクジラが大量に保有し、ポジションを通じてガバナンスに影響を与える可能性があります。
□ガバナンストークンの未来とは?
ガバナンストークンの未来は、暗号資産と同様に可能性と不確実性の両方が見受けられます。法的な規制を含めて将来はどうなるかは、誰にも分からない状態です。とはいえ、新しい組織の在り方として「DAO」を採用するにはガバナンストークンが分散型のサービスや製品、NFTなどの方向性を決める「意思決定」において必要不可欠な要素になります。
ガバナンストークンは暗号資産に関わるコミュニティやプロジェクトが最大限に発揮できる手段として、後方から支援をしている仕組みです。Web3、dApps、プラットフォーム、NFT、ゲームなど分散化することによって「富の分配」「民主化」が進むでしょう。
□ガバナンストークンのまとめ
最後に内容の要点をまとめます。
• ガバナンストークンは公平に組織の運営をまとながら未来を決める
• ガバナンストークンは、単独的な支配をもたらすものではない
• プロジェクトの最初に組み込まれている一部分のみに影響を与えることができる
• ガバナンストークンは分散型自立組織(DAO)の所有権に一番距離が近いもの
要点は以上になります。復習ということで、ガバナンストークンについて振り返ります。
ガバナンストークンとは?株式会社の「株式」に近い存在です。株式との違いは、組織やコミュニティの参加者がプロジェクトの「意思決定」に関われることです。ブロックチェーンの技術を使いながら分散型サービスのプロトコルやNFTコレクションの将来を決めることができるだけではなく、資金の使い方に投票したり、トークンを受け取ることができます。
ガバナンストークンは、まだまだ使い方の用途が限られているため今後、どのように進化をするのか?可能性が大きい領域です。最後になりますが、ガバナンストークンのイメージはぼんやりとつかめたでしょうか?
実際にコミュニティに入りながらDAOとの関係性が強いガバナンストークンを使うことがあれば素敵な体験ができるので、ぜひともどこかのプロジェクトに関わってみましょう。