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未来の金融における分散型金融(DeFi)役割とテクノロジー

2022年5月6日

こんにちは、ナカムです。

本日は「分散型金融の役割とテクノロジー」を解説します。

本記事で分かること

•  DeFiと銀行の違い

•  未来の金融とは?

人間社会の暮らしと密接に繋がっている金融を再定義していきますが、人間の未来はどのように変化し、DeFiと共存するのか?進めていきます。

分散型金融(DeFi)は、想像していたよりも急速に利用者が増え続けて進化を遂げていることからロックされた合計値(TVL)は、2,000億ドル(約26兆円/2021年5月5日)を超えています。

出典:Defi Llama

 

□DeFiの利用者が増え続けている理由

DeFiの利用者が想像よりも増えている理由についていくつか紹介をします。

•  利回りが良い

•  グローバル展開

•  仲介者が不要

•  手数料の安さ

DeFiの利用者が増え続けている一番の理由としては、投資の収益が他の金融サービスよりも優れているからです。

DeFiを使った運用について紹介します。

Astar Network」の「ArthSwap」からファーミングをするとステーブルコインのUSDT/USDCで推定APR75%の収益が発生しています。

※流動性プールとファーミングについては、こちらの記事が参考になります。

 

従来の金融サービスよりも明らかにステーブルコインを使った運用の方が収益が出るため、DeFiの利用者が増え続けています。

 

2022/5/6日時点

Astar:ASTR チャート

収益のAPRからAPYの数字を出す場合は、計算を行う必要があります。

こちらの「Convert APR to APY」というサイトでAPRに数字を入れるだけでAPYの計算を出すことができるので紹介します。

※APR=年換算利回り

※APY=年間利回り

※注意:数字が高ければリスクも必然的に上がります

 

DeFiの利用者が増えている理由は投資の収益だけではなく、市場規模が大きいグローバルで多くのユーザーに金融サービスを提供することができます。次に仲介者が不要、手数料が安い理由について触れてみましょう。

金融機関では、人が維持管理、審査することが一般的であったため、人件費など加味した手数料によってコストが必要です。DeFiでは、ブロックチェーンのスマートコントラクト上の金融サービスであるため、従来の金融機関の管理や仲介が不要です。

このように、金融機関よりもDeFiの方がたくさんのメリットがあるため、利用者は増え続けている状況です。分散型金融は、世界中で注目を浴びてますがDeFiの機能はまだまだ荒削りの側面もあり、一般的に普及するまで道のりは遠いです。

 

□従来の金融機関

各国の金融機関は、厳格な要件に満ちたさまざまな規制が厳しい状態で「運営」「管理」されています。

 

○金融サービスの利便性

人間の社会において金融サービスは顧客の利便性です。いつか例をあげていくと次のようなサービスが存在します。

•  銀行は、自宅にドル、円などのお金を保管する必要がないという便利さ、安心を提供しています

•  銀行以外のFinTech企業は、資産運用、さまざまな場所でお金を使うときにいつでも現金で支払う必要がないように便利さを提供しています

•  金融保護のサービス企業は、支払い履歴、支払い追跡、与信情報を銀行取引を相互参照して、詐欺やマネーロンダリングを防ぐための機能を提供しています

※マネーロンダリング(Money Laundering)とは、資金洗浄のことです。犯罪によって得られた資金(金銭)を、資金の出所をわからなくするために、架空または他人名義の金融機関口座などを利用して、転々と送金を繰り返したり、株や債券の購入や大口寄付などを行ったりすることです。これらの行為は法律で禁止されています。

結論:金融サービスは、人々の生活で "必要不可欠" なものです。

DeFiの役割は、「中央で管理されない」誰でも自由に通貨の貸し出し、預け入れ、資産運用するために、コストを究極まで削ることができるスマートコントラクトを使った「契約の自動化」という仕組みを取り入れ、許可のないソリューションをユーザーに提供するために生まれました。

※ソリューションとは、解答、解決策、解決、解法、溶解、溶液などの意味を持つ言葉です。ユーザーの抱える問題、課題解決、要望、要求を満たすことができる製品やサービス、あるいはそれらの組み合わせのことです。

既存の金融機関は、DeFiの当事者ではないという立場であり続けていましたが、企業やスタートアップなど暗号資産支払いの導入に広がりをみせているため、意識せざる得ない状況に進んでいます。

 

○企業の暗号資産サービス

企業が進めている暗号資産サービスをいくつか紹介します。

MoonPay

決済プロバイダのMoonPayは、暗号資産の購入、NFTをクレジットカード決済できるサービスを開始し、VISA、MasterCardといったクレジットカードやGoogle Pay やApple Payといったアプリ決済でも購入が可能になります。

Stripe

オンライン決済のStripeは米国時間2022年4月22日、Twitterをはじめとするプラットフォームで、クリエイターなどが暗号資産で収益を受け取れるようにすると発表した。Twitterがパートナーとなり、Twitterの一部のクリエイターがこの機能を利用できるようになる。まず、米ドルに連動するステーブルコインUSDCによる決済に対応する。Stripeの仮想通貨決済は、「Polygon」ネットワークで行われる。

社会のインフラとして機能している金融機関がDeFiを採用するには、さまざまなサービスが正しく実行、執行、された場合にセキュリティ、コンプライアンス、KYCを市場および社会との矛盾がなく、整っているこが不可欠です。

※KYCとは、顧客の実在性の確認を行う「身元確認」、顧客の行為を確認する「当人認証」の2つで構成される『本人確認』を意味します。オンライン上で行う「KYC(=本人確認)」を「eKYC」と呼ぶ。

 

□金融の未来とテクノロジー

未来の金融はどのような形に進むのでしょうか?

人間社会のテクノロジーは高速で技術革新している状況ですが、特にブロックチェーンの金融サービスでユーザーに使われてから広がりが顕著である。金融サービスが進化するにつれて、従来の銀行、FinTechはDeFiと区別はなくなります。

DeFiの優れている理由は、いくつかありますがその中でも「預入」「貸付」「運用」の金融サービスへのグローバルアクセスを増やし、ユーザーが既存の金融システム(銀行)を避けたい仲介をあまり行わずにプロトコルを通して資産の手続きできるようにします。

※プロトコルとは、コンピュータでデータをやりとりするために定められた手順や規約、信号の電気的規則、通信における送受信の手順などを定めた規格です。

従来の金融よりもユーザーが求めているDeFiの投資収益は、今までの資産運用に比べると優れた利益を出しています。ただし、DeFiはまだまだ金融機関に負けている状態です。スマートコントラクトの自動契約、決済、プロトコルレイヤーは、分散化されていますが、従来の金融システムに機能を拡張する必要があります。

※レイヤーとは、層、階層、層にする、層をなす、などの意味を持つ。何かの構造や設計などが階層になっている状態。

金融機関と取引をする暗号資産の会社や事業者は、金融機関のコンプライアンス、セキュリティの規則義務によってリスク管理を答える必要があります。

簡単な作業ではなく、従来の金融機関と話し合って利害関係を含めたDe Fiの在り方を進めていくべきです。

 

□DeFiのリスク ハッキングについて

DeFiの金融サービス利回りは、既存の投資や資産運用よりも大幅に上回っていますが、ハッカーの攻撃に合うリスクも増加傾向です。

直近では、Axie Infinityのサイドチェーン「Ronin」のブリッジから計700億円超相当のイーサリアムとUSDC(USDコイン)が不正流出した。詳細の記事はこちらです。イーサリアムとソラナ(SOL)のブリッジプロトコルであるWormholeは、ハッキングされて12万wETH(約373億円)のハッキング被害を受けた。Axie Infinityの方は、即座に補填すると発表を行い、暗号資産取引所のバイナンスが主導する資金調達において、1億5,000万ドルを調達した。

セキュリティプラットフォームであるImmuneFiが2021年の暗号資産市場におけるハンギングや詐欺など損失総額の報告書を発表し、被害額は102億ドルを超えたという。

ImmuneFi:レポート

暗号資産、DeFiのプロトコル固有のリスクが軽減される技術革新は時間の問題です。

 

□最後に従来の金融機関とDeFiの比較をまとめ

DeFiが目指している姿は、Decentralized(分散型)の世界です。個人ののプライバシーが保護された上での透明性がある情報公開とウォレット、インターネットに接続されている状態であれば国に依存することなく、誰でもどこからでも自由に取引できる金融です。ブロックチェーン上のスマートコントラクトを中心に提供される構造で金融サービスが提供される従来の金融機関とは明らかに異なります。

ユーザーは、自分にあった金融サービスを自由に利用できるようになるのです。これからの新しい金融テクノロジーにおいてDeFiは、人間が自由に使う未来の形に向かいます。

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