こんにちは、ナカムです。
本日は「DeFiの基礎」を解説します。
本記事で分かること
• DeFiとは分散型の金融?
• DeFiで何ができる?
DeFiの基礎ですがめちゃくちゃ重要です。
NFTと暗号資産を触るならDeFiのことを理解すべき大切な内容です。
なぜ、大切なのでしょう?DeFiは現実世界の「銀行」と同じ役目をしているからです。銀行は生活をする上で必要なものです。
また、「証券」と同じように資産の運用が可能です。NFT、暗号資産、DeFiは密接に繋がっているのでゆっくりと解説していきます。
□DeFiとは何です?
結論:DeFi=分散型金融です。
最初からよく分からない単語ですよね。NFTと暗号資産に関わりを持つと「DeFi」という言葉がよく出てくるので単語を覚えておくだけでOKです。言葉とイメージをまとめてみましたので流し読みでいいです。
言葉
• DeFi=Decentralized Financeの略語
• Decentralized=分散型
• Finance=金融
イメージ
• ファイナンス=金融
• 金融=銀行、証券
• 銀行、証券=DeFi
上記にたくさんの言葉を並べましたがDeFiとは「銀行」「証券」というイメージをなんとなく持つと、意味が分かりやすくなります。技術の方で解説するとイーサリアムなどのブロックチェーン上で実行される金融サービスです。もう少し分解をして深掘りしていきます。分散型は、そのままの意味で分散ですが金融とは「何??」という感じです。また金融のことを同じような意味合いでファイアンスと呼びます。まずは金融の方から分かりやすく解説します。
□金融とは?
金融とは、お金の余っている(持っている人)がお金の不足している人に、利息を支払うことを条件に「お金を融通」することがあります。銀行、決済サービスなどの金融機関がこのような「お金の橋渡し=融通」することを「金融」といいます。金融で分かりやすいのは銀行ですね。身近な金融である銀行の役目をみていきます。
○金融の役目
多くの方が銀行を使う1番の理由は、「お金を預けること」です。働いて稼いだ数十万円、数百万円のお金を自宅に保管しているのでは、「誰かに盗まれるかもしれない」ということを感じるため不安になります。そして銀行は預かったお金を資金が不足する方に利息を付けて貸します。これって銀行が「お金の橋渡し(融通)」をしていますよね?橋渡し?融通とは?
※金融とは、お金の余っている(持っている人)がお金の不足している人に、利息を支払うことを条件に「お金を融通」することがあります。銀行、決済サービスなどの金融機関がこのような「お金の橋渡し=融通」することを「金融」といいます。
銀行と金融の意味は上記の通りです。そして世の中では、さまざまな経済活動を行う際に、「資金が不足する者」と「資金が余る者」がいます。金融は、両者を結びつけて資金が必要とされる「人」「サービス」「会社」「リソース」へ配分させる機能を持たし、両者には金銭の債権債務関係が生まれます。DeFiは、銀行の代わりにブロックチェーンを使用する「金融のプロダクト」です。言葉だけではイメージつかめにくいですよね?少しずつ解説していきます。まずは「DeFiを使うと何ができる?」特徴からみていきます。
※プロダクトとは、何かの製品、商品を販売する方針を立てることを意味します。また、個別の製品、商品、サービスについて方向性を検討し、開発を進めることです。よく分からないですよね。簡単にいうと「金融のさまざまなサービス」です。
□DeFiの特徴
DeFiは、主に3つの特徴があります。
• 人が介入しない無人の金融サービス
• 手数料が安い
• どこの国からでも同じ金融サービスが利用できる
DeFiを実際に利用して感じたことは、人の介入がないので仕組みがシンプルです。バイナンス のCZもシンプルさが美しいといってます。
#DeFi, a full exchange, running on a blockchain, with just a few lines of code, without any human intervention. The simplicity is beautiful.
— CZ 🔶 Binance (@cz_binance) August 4, 2021
DeFiは、インターネットとメタマスクのウォレットを持っている人なら場所を選ばずに誰でも、どこでも、人の介入を経由せずに金銭の「預け入れ」「貸し借り」「運用」ができます。最大の特徴は、金融機関を使わなくても金銭のやり取りが可能になる仕組みです。身近な金融機関といえば銀行です。今までの金融機関は「情報」「与信」の管理を人がすることで仲介業務をおこない、利益を出していました。DeFiは、このような仕組みを「180度」変えたのです。
結論:DeFiは、介入者の存在がない代わりに全てスマートコントラクトを介してプロトコルに自動化されています。
次はDeFiの機能について解説します。
○DeFで重要な機能
いくつかの機能を紹介します。
• ブロックチェーンを介して瞬時に資金を動かす
• 名前や住所などの識別情報を表示しなくて済む
• ウォレットを作成することで金融が使える
• 従来の銀行よりも手数料が優れている
• ほかのDeFiアプリケーションと連携する
上記のようにDeFiには重要な機能があります。その中でも瞬時に資金移動ができるので銀行口座を持つよりも楽に金銭のやりとりができます。ウォレットさえあれば誰でも既存の銀行と同じような機能を使うことができます。実は世界中に銀行口座を持ってない人達が多数います。他国へ移住した場合など、すぐに銀行口座を作れるわけでないのですごく不便ですね。世界中、どこにいてもウォレットがあれば銀行と同じ機能を持っているDeFiが利用できます。これは新しい未来の形です。ただし、メリットだけではないです。
※補足として、2018年のTHE WORLD BANK記事では、銀行口座またはモバイル口座を保有している成人の割合は、2017年は69%(38億人)となっています。Forbesの記事を見ていたところ、銀行口座がない成人は世界で17億人超えと記載されています。まだまだ世界中で銀行口座を持っていない人達がたくさんいます。
○DeFiの特別な機能
機能として特別なのは、現実世界の銀行みたいにさまざまな手続きのやりとりをおこなう「人」の介入がありません。なのでコストが大幅に削減されます。ということは、手数料も削減されるため利用者にとってありがたいですね。また、中央の管理者が存在しないため審査がない金融サービスです。取引は「国」「地域」に関係なく、同じ金融サービスを受けることが可能になります。
DeFiはブロックチェーン上の分散型WEBサービスの中でも急成長している分野であり、暗号資産の世界を軸に「金融革命」が進んでいます。
このような金融革命を起こす「きっかけ」は誰なのでしょうか?また、誰がDeFiを発明したのでしょう?DeFiの単体として発明した人はいませんが、DeFiアプリケーションは「VitalikButerin」によってイーサリアム上に発明されました。その後、スマートコントラクトを使ってトランザクションの自動化を進めながら他のネットワーク「Binance Smart Chain」「Solana」「Avalanche」などに拡大しました。
○DeFiはオープンソースなので誰でもコピーできる
DeFiは「レゴブロック」のようにアプリケーション同士連携をします。しかも、誰でも許可なくDeFiの上に新しいサービスを「作成」「変更」「マッチング」「リンク」できます。実は、誰でも許可なくが最大の弱点でもあります。暗号資産の世界で中心的な存在のステーブルコインなどの重要なコンポーネントが破損するとステーブルコインを中心に構築されたエコシステム全体が混乱する可能性があるからです。
※コンポーネントとは「ソフトウェア部品」「システムの構成要素」を意味する。
先日、DeFiのエコシステムに混乱が出た事例がありました。それはアルゴリズム型のステーブルコインであるTerraUSD(UST)です。時価総額で上位にあったTerraが突然、99.99%下落して暗号資産の市場に大きな影響が出ました。アルゴリズム型ステーブル「TerraUSD(UST)」が短期間で1ドルの基準値を大きく離れてしまったためです。LUNAの価値が下落するとTerraUSD(UST)の価値が支えきれなくなり、市場の中でUSTを手放す負の連鎖状態となりました。詳細はこちらをご覧ください。
□DeFiで何ができます?
主に次の3ができるので解説します。
• 貸出
• 借入
• 運用
まずは「貸出」「借入」から解説します。貸出の場合は、AAVEやCompound、MakerDAOなどに保有している暗号資産をプロトコルに貸出すと利息やトークンの報酬が発生します。同様にプロトコルから暗号資産を借入することもできます。借入は貸出した資産の約40%借りることができます。ただし、暗号資産は価格が上昇下降するので借りても20%ぐらいが無難です。借入をたくさんするリスクも必然的に上がりますので注意が必要です。
※プロトコルとは、コンピューター同士が通信する際の手順や規約です、簡単にいうと「約束事」です。
○DeFiはベンチャーキャピタルからも投資対象に入っている
投資大手ベンチャーキャピタルであるAndreessenHorowitzがDeFiの柱であるCompound(2500万ドル)、MakerDAO(3億5000万ドル)にそれぞれ投資ラウンドを主導しました。AndreessenHorowitzから投資を受けているDeFiは未来を感じる金融の在り方ですね。2019年末までのDeFiはたくさんのプロダクトが誕生しています。まだまだこれから増え続けていく領域です。
Our take on mapping #DeFi ecosystem, v.2 just released.
DeFi evolving like wildfire 🔥🔥🔥
When we just started, there were about 100 projects, now it's near 200. Still, most of the products built on #Ethereum. pic.twitter.com/40QYATEVBT
— defiprime (@defiprime) July 22, 2019
□DeFiを利用する1番の理由
多くのDeFiユーザーは、報酬を得るために保有している暗号資産を運用しています。購入した暗号資産を保管しているだけでは資産が増えないです。なのでみなさんDeFiを使って上手に運用しています。機能としては、報酬を得るために資産をプールに預けてロックする「農場=ファーム」を通じてトークンを獲得する方法です。「APY」「APR」といわれる利回りのレートはプロトコルと資産によって異なります。ファームによっては利回りが100%超えているのもありますが、もちろんリスクも上がります。ファームについては日本でも有名なPancakeSwapを時間あるときにご覧くださいね。
DeFiのプールについてはこちらの記事が参考になります。
※補足:取引所について少し解説します。国内取引所の「コインチェック」や海外取引所の「Coinbase」「バイナンス」では、資産を保管するために取引所に頼っている状態です。DEXといわれる「分散型取引所」は誰にも管理をされないで仲介者を排除し、人同士がお互いに直接取引できるようにしています。UniswapやQuickwap、PancakeSwapのDEXを使用すると、好みの新しいトークンを手に入れることができます。世界中の広い市場で資産を手に入れることが可能です。
□DeFiの使用方法
まずはウォレットを作成します。イーサリム中心のメタマスクやSolanaのファントム、SafePalなどはDeFiに対応しています。ウォレットとインターネットの環境があれば、誰でもDeFiのdApps呼ばれる分散型アプリケーションに接続することで使用できます。アプリケーションはブロックチェーン上に構築されているので取引の支払い時にトランザクションの通貨を使用する必要があります。いくつか例をあげてみます。
• Ethereum Chain:ETH
• Polygon Chain:MATIC
• Binance Smart Chain :BNB
• Solana Chain:SOL
上記のように、それぞれのブロックチェーン上で運用されているDeFiはトランザクションの支払いに通貨を使用するのでウォレットに入れておく必要があります。
□DeFiの未来はどうなる?
結論:DeFiは暗号資産の世界を軸に「金融革命」が進んでいます。
DeFiはテクノロジーが既存の経済より効率的なシステムを作るのか?それとも新しい経済の基盤となるのか?人間の未来は「人間自身」が作るため、誰にも分からないですが金融革命がスタートしています。DeFiについては「こちら」の記事も参考になりますのでご覧くださいね。
○DeFiを使う人の目線が大切
DeFiの思想としては世界で「フィンテック」「伝統的金融」のシステムに取って代わることができるという考え方です。現実世界の金融といわれる「銀行」は人の介入が多いシステムです。最近では、銀行のシステムもテクノロジーが進んでいるので銀行口座を作成するという作業もスマホアプリから完了できます。しかし、「銀行口座の管理」「融資の承認」などは人が介入しています。さらに効率的にシステム化できるDeFiは既存のテックエコノミーを加速させるでしょう。
○新しいテックを基盤にした新経済
昔は人間の移動手段として、車輪が付いたものに馬につなげた「馬車」が使われました。現在の移動手段はエンジンと車輪を使った「車」が主流です。これは人間の移動手段における大幅な改善をもたらした。
インターネットが世の中で生まれるまでは、「お店に行って直接、頼む」「ファックスで頼む」などのやり取りが多かったです。インターネットの登場によってEメールや電子ファイルに切り替わったので時代と共に効率が向上しました。このように古い経済が新しいテクノロジーを活用することで便利さが突き進んでいます。
○現状のDeFi状況について
DeFiは想像していたよりも急速に利用者が増え続けて進化を遂げていることからロックされた合計値(TVL)は、2,000億ドル(約26兆円/2021年5月5日)を超えています。
出典:Defi Llama
補足として、2022年5月に起こったステーブルコインのTerraUSD(UST)が99.99%下落しました、これは、暗号資産の市場に大きな影響を受けました。この時期には、DeFiのTVLが急激に下がりましたので投資家たちが一斉にDeFiから資金を抜いたのが分かります。
出典:Defi Llama
□分散型ファイナンスDeFiの基礎まとめ
最後にDeFiの基礎について要点をまとめます。
• DeFi=Decentralized Financeの略語
• DeFi=分散型金融です
• 貸出、借入、運用ができる
• 人が介入しない無人の金融サービス
• 従来の銀行よりも手数料が優れている
• どこの国からでも同じ金融サービスを利用できる
• ブロックチェーンを介して瞬時に資金を動かす
• 名前や住所などの識別情報、KYCを表示しなくて済む
• ほかのDeFiアプリケーションと連携する
ということで、DeFiの基礎は以上です。現実世界の「銀行」「証券」と同じイメージを持つと、なんとなく分かりやすいかと思います。
補足として、2021年にNFTを本格的に触り始めてから「暗号資産」「DeFi」の仕組みと文脈について深く考え始めました。
DeFiを使う理由は、投資家が資産を眠らせておくのが「もったいない」ので運用方法の1つとして活用されています。
そして、運用された資産が増えるとNFTへも金銭が流れるため、「暗号資産」「DeFi」「NFT」の経済がまわり出します。
DeFiを実際に進めてから感じたことは、NFTとDeFiの関係性は密接でした。
なので、NFTを本格的に運用されたい方はDeFiの方も少し触ると立ち回りなどにメリット出ます。
DeFiは暗号資産の世界を軸に「金融革命」が進んでいます。自己責任になりますが、実際にDeFiを体験してみると、凄さが分かると思います。
本日は以上になります。
それでは、また。